弁護士に依頼した場合の対応の流れ
対応の流れ
不倫慰謝料を請求された方からご依頼いただいた場合の対応の流れについてご説明します。
1 打ち合わせ
まずは、依頼者様が相手からどのような請求を受けているのか、依頼者様の状況やご意向などをお聞きし、対応方針を決めます。
そもそも不貞行為がなければ原則として慰謝料の支払義務は生じませんし、不貞行為があった場合でも、相手夫婦の婚姻関係が既に破綻していた場合や消滅時効が完成している場合など、慰謝料の支払いを拒む事情があるか方もいらっしゃいます。
慰謝料の支払義務がある場合であっても、相手の要求額が相場より高いケースもありますし、依頼者様の状況によっては分割払いを求めるべき場合もあります。
多くの方が急な請求を受けて動揺しているため、まずはじっくりとお話をお聞きし、状況を整理して、対応方針を決めます。
2 受任通知
相手方(またはその代理人)に受任通知を送付します。
受任通知とは、紛争の相手方に対し、弁護士が依頼者様の代理人となったことを知らせる文書です。これにより、弁護士が依頼者様に代わって連絡窓口として交渉を行うことを知らせるとともに、依頼者様ご本人に直接連絡しないよう求めるという意味もあります。
不倫慰謝料請求のように感情的な対立が大きい紛争においては、依頼者様の心理的負担や危険を回避するため、相手から直接連絡が来ても基本的に応じないようお願いしています。
依頼者様が不貞行為を行っていない場合など支払いを拒む事情がある場合には、こちらの立場を明確に主張して反論します。
3 交渉
相手方への受任通知後、交渉を始めます。
相手の要求する金額が不当に高い場合には減額交渉を行い、必要に応じて分割払いでの合意を求めるなど、相手の譲歩を引き出します。
4 示談書の作成
交渉により紛争解決の方法について合意ができたら、示談書を作成します。
示談とは、合意した内容を書面化したもので、裁判をせずに紛争を解決する和解契約の一種です。
示談書には、合意した慰謝料の額、支払方法や支払時期のほか、状況に応じて謝罪や接触禁止などの条項を入れることもあります。
5 訴訟(裁判)
交渉で示談がまとまらない場合には、相手が訴訟(裁判)を提起するケースが多くあります。
裁判では、慰謝料の支払義務の有無や金額について争います。
不倫慰謝料請求の裁判にかかる期間は、平均すると1年から1年半と言われていますが、半年ほどで終わる事件もあります。
裁判所の判断は判決という形で示されますが、手続きの途中で和解が成立して終わることもあります。
判決の内容に不服がある場合には、控訴提起をして、さらに高等裁判所での判断を求めることもあります。