弁護士に依頼するメリット
予期せず不倫慰謝料を請求された場合、「家族や職場に知られたくない」という不安や、「〇日以内に〇万円支払え」「裁判を起こす」などと伝えられ、動揺する方が多いと思います。
ここでは、不倫慰謝料請求を受けた際に多くのご相談者様が抱える不安ごとに、弁護士に依頼するメリットをご説明します。
相手から家族・職場への連絡
まず、多くの方が不安に思われるのは、相手が不倫トラブルについて家族や職場に言いふらしたり、SNSで個人が特定できる形で情報を拡散したりしないかという点です。
このような行為は名誉棄損にあたるため、事後的に損害賠償請求やSNSの削除請求をすることは可能です。しかし、一度家族や職場に知られ、または情報が拡散されてしまうと、後で多少の金銭を受け取ったとしても、元の生活に戻ることは難しくなってしまいます。
不倫慰謝料請求をしてくる相手は一般に、非常に感情的になっているため、ご本人が連絡して口外しないよう求めると、逆効果になりかねません。
弁護士に依頼した場合には、通常、速やかに相手方(またはその代理人)に受任したことを通知し、今後誠実に対応していく旨を伝えます。その際、家族・職場への連絡を一切行わないよう忠告します。
弁護士からの通知により忠告を受けることにより、家族や職場への連絡を思い留まることが期待できます。
また、こちらに弁護士がついたと知ると、相手方も弁護士に依頼する場合が多く、その後は弁護士同士の交渉となり、感情的なトラブルを回避して協議を進めやすくなります。
支払総額
慰謝料の支払を求められ、最終的に自分はいくら支払わなければならないのか、期限はいつかと不安に思われることでしょう。
実際、内容証明郵便等で300万円から500万円程度の金額が請求されていることが多々あります。
しかしこのような高めの金額は、相手方がとりあえずの金額として設定したものであることが多く、法的根拠があるとは限りません。
また、相手方に弁護士がいて高額な請求をしてきた場合でも、それは交渉術として高めに請求しているだけであったり、相手方本人の意向を反映して高い金額を請求しているだけ、ということがほとんどですから、こちらは交渉のなかで減額を求めていきます。
裁判になり慰謝料の金額について争う場合でも、事案ごとに個別の事情を考慮して判断されることになりますが、当初の相手方の請求額より低い金額の判決が出るケースが多いです。
弁護士は、依頼者様それぞれの具体的なご事情を顧慮して、慰謝料の適切な金額がどのくらいかを判断し、適切な金額での示談を目指します。
支払方法
「慰謝料は一括で支払わなければならないのか」という点も不安になると思います。
不倫慰謝料を請求する側の立場では、慰謝料の支払いを早期に確保し、紛争を終わらせたいと望むのが通常ですから、一括払いを要求してきます。
裁判になった場合、通常の判決で分割払いは認められませんから、判決が確定したら一括で慰謝料を支払わなければなりません。また、決まったとおりに支払わなければ給与等を差し押さえられてしまうおそれがあります。
他方で、示談においては、双方の合意によって支払い方法を決めることができます。
慰謝料を請求する側にとっても、裁判を起こして強制執行まで行うことは、大変な時間と費用を費やすことになるので、極力避けたいと考えるものです。交渉により裁判を回避し、早期に解決できる見込みがあるのであれば、相手もある程度譲歩して分割払いに応じるというケースがよくあります。
つまり、弁護士が間に入って適切に交渉すれば、慰謝料の分割払いを認めてもらうことも期待できます。