このようなお悩みはありませんか?
- 浮気をした夫・妻から離婚をしたいと言われました。離婚には応じた方がいいのでしょうか?
- 不倫した配偶者が家を出て行ってしまいました。このまま離婚になるのでしょうか?
- 夫・妻が離婚を切り出してきましたが、どうも他に異性がいるようです。
浮気や不倫をされたうえ、さらに離婚まで求められたら、まさに「踏んだり蹴ったり」といった非常に辛い状況です。
しかし、不倫をした夫・妻に離婚を求められたとしても、あなたが離婚したくないのならば、直ちに離婚に応じる必要はありません。これからご説明するように、離婚するかどうかの主導権は、基本的にあなたにあります。
ただし、あなたが主導権を維持するために必要になるのが、「不貞(浮気・不倫)の証拠」です。
まずは証拠を確保し、その後じっくり対応を検討しましょう。
このページでは、離婚協議や離婚裁判といった離婚手続きの流れ、浮気・不倫をした人(有責配偶者)からの離婚請求に関する判例、浮気や不倫をした夫・妻から離婚を切り出された場合の対応方法について解説いたします。
目次
離婚手続きの流れ
離婚を望む場合の手続きは、以下の3ステップに分かれます。
① 離婚協議(話し合い)
② 離婚調停(家庭裁判所での話し合い)
③ 離婚裁判(家庭裁判所での裁判)
① 離婚協議
夫婦間の(あるいは弁護士を介した)離婚にむけた話し合いです。離婚するかどうか、離婚する場合はどのような条件にするかを話し合います。そして、話し合いがまとまれば協議離婚という形で離婚をします。
② 離婚調停
離婚調停とは、家庭裁判所で行う離婚に向けた話し合いです。正式な名称を「夫婦関係調整調停(離婚)」と言います。裁判官1名、調停委員2名(男女)の3名からなる調停委員会が調停を実施します。離婚協議ではうまく話し合いができない場合に離婚調停を申し立てます。調停がまとまってできる離婚を調停離婚と言います。
③ 離婚裁判
離婚調停をしても話し合いがまとまらない場合、最後の手段が離婚裁判です。離婚裁判とは、家庭裁判所で行う離婚するかどうかとその条件を決める裁判です。離婚裁判は、「法律上離婚が認められるかどうか」が問題となる手続きです。
離婚裁判で離婚が認められるのはどのようなケース?
離婚手続きのうち、①離婚協議と②離婚調停は、夫婦の合意により離婚する手続きですから、あなたが離婚に同意しない場合には、相手が望んでも離婚は成立しません。そこで問題となるのが、「裁判で離婚が認められるかどうか」であり、つまり「法律上離婚が認められるかどうか」、民法770条1項の「法定離婚事由」があるかどうかです。
1 民法770条1項は、法定離婚事由とは
① 配偶者に不貞行為があったとき(いわゆる不倫)。
② 配偶者から悪意で遺棄されたとき
③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
裁判で離婚が認められる典型的な事由が、不貞行為やDVです。しかし、①から④の事由は離婚が認められる事由としての例示列挙であり、最終的には⑤「婚姻を継続し難い重大な事由」があるかどうかで判断される、という解釈が実務上有力になっています。
2 典型的に離婚が認められる「不貞行為」とは?
民法770条1項の「不貞行為」とは、既婚者が配偶者以外の者と、自由な意思に基づいて、肉体関係を持つことをいいます。したがって、性犯罪行為の被害者は「不貞行為」に該当しないことは当然ですし、配偶者以外の人に対して恋愛感情を抱いたとしても、それが肉体関係を伴わない場合は「不貞行為」にあたりません。
3 まとめ
つまり、あなたの夫や妻があなた以外の人と肉体関係を伴う浮気や不倫をした場合には、民法770条1項の「不貞行為」にあたり、典型的に離婚が認められるケースであると言えます。
他方で、不貞行為をしたあなたの夫や妻から離婚請求をする場合には、自分の不貞行為以外に何らかの「法定離婚事由」があること、「婚姻を継続し難い重大な事由」があることを主張・立証する必要があります。
浮気や不倫をした配偶者からの離婚請求は原則認められない
1 有責配偶者とは?
有責配偶者とは、離婚の原因を作り出す有責な行為を行った夫・妻のことです。典型的なのが、不貞行為やDVを行った夫や妻です。
2 有責配偶者からの離婚請求に対する最高裁判所の判断
例えば、自分が不貞行為(浮気・不倫)をして夫婦関係を悪化させたにも関わらず、裁判で離婚を請求するような事案を、法律の実務上「有責配偶者からの離婚請求」と言います。
そして、この有責配偶者からの離婚請求については、有名は最高裁判例(最高裁昭和62年9月2日判決)があり、次のような判断がなされました。
判例の要約
有責配偶者からの離婚請求は原則として信義則に反して許されないが、①年齢や婚姻期間との対比で別居期間が相当の長期間であり、②未成熟子がいない夫婦の場合には、③離婚によって相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状況におかれるなど、離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するとはいえる特段の事情がある場合でなければ、離婚も許容されうる。
したがって、不貞行為(浮気・不倫)をした配偶者は有責配偶者にあたりますから、判例が示す①~③の要件を満たすような例外的な事案にあたらない限り、相手から離婚裁判を提起しても、簡単には認められないということになります。特に、小さなお子さんがいらっしゃる場合には、早々に離婚が認められる可能性はとても低くなります。
不貞行為(浮気・不倫)をした夫・妻から離婚を求められた場合の対応
不貞行為(浮気・不倫)をした夫・妻から離婚を求められた場合のとるべき対応を、状況ごとにご説明します。
1 離婚を切り出されたとき・夫・妻の浮気・不倫を知ったとき
2 離婚協議や調停段階での対応
3 離婚裁判での対応
4 不倫した配偶者が家を出てしまった場合
1 離婚を切り出されたとき・夫・妻の浮気・不倫を知ったとき
夫・妻の浮気や不倫に気づいて問い詰めたら、相手から離婚を切り出されたという方もいらっしゃると思います。できれば浮気・不倫を問い詰める前に証拠を確保しましょう。浮気や不倫を問い詰められた相手は、証拠となるデータを消してしまうかもしれません。
ここでいう「浮気や不倫の証拠」とは、夫・妻が、「自分以外の人と肉体関係を持ったこと」の証拠であり、典型的な証拠は、不倫相手との肉体関係を認める内容のSNSのメッセージや、不倫相手との肉体関係があったことを認める発言の録音、行為そのものを撮影した写真や動画(不倫した人が「記念」に保存していることがあります)、ブログや日記などです。このほかに、調査会社(探偵)に依頼すると、ラブホテルに不倫相手と出入りしている写真などを撮影してもらえることもあります。
2 離婚協議や調停段階での対応
離婚の手続きは、ここまでご説明したとおり、①離婚協議、②離婚調停、③離婚裁判の3段階に分かれます。このうちの①離婚協議と②離婚調停の段階では、離婚は双方の合意により成立しますから、あなたが離婚を望まない場合や条件に納得できないときは、ひとまず離婚に応じる必要はありません。
もっとも、離婚協議や離婚調停において、「相手にある程度譲歩するのか、要求を突っぱねるか」という判断をするためには、その後の「裁判で離婚が認められるか・どのような離婚条件になりそうか」という見通しが非常に重要です。それらを判断するには法律の専門知識が必要ですから、不貞行為(浮気・不倫)をした夫や妻から離婚を求められている方は、早めに弁護士に相談することをお勧めします。
3 離婚裁判での対応
離婚協議や離婚調停では離婚できない場合、それでも離婚を望む配偶者は、離婚裁判を提起することが予想されます。そこで争われるのが、主に次の3点です。
①「婚姻を継続しがい重大な事由」があるか
②「有責配偶者からの離婚請求」にあたる事案であるか
③有責配偶者からの離婚請求であっても例外的に離婚が認められる事案であるか
あくまでも離婚をしたくない場合には、そもそも法定離婚事由がない、仮に法定離婚事由があっても、「有責配偶者からの離婚請求」の事案にあたり、例外的に離婚が認められるような特段の事情はなく、離婚請求は信義則に反して認められない、という反論をし、場合によっては証拠を出す必要があります。それは弁護士でなければかなり難しい作業になります。また、最終的に離婚に応じるとしても、少しでも有利な条件を引き出すためにも法律の専門知識や経験が不可欠です。
いずれにしても、離婚裁判にまでなってしまった場合には、できるだけ早い段階で弁護士に相談しましょう。
4 浮気や不倫した夫・妻が家を出てしまった場合
不倫をした配偶者が離婚を希望して、家を出てしまうこともあると思います。
別居期間が長くなることは、有責配偶者からの離婚請求が認められるプラスの要因になります。しかし、別居を始めたからといって、すぐに裁判で離婚が認められるというわけではありません。
他方で、別居をしていても夫婦は互いに扶助義務を負っていますから、婚姻費用の請求をすることを考えましょう。婚姻費用は、離婚が成立するまで、収入が多い方の配偶者に対して請求できる生活費のことです。婚姻費用を毎月支払い続けながら別居生活を維持することは結構な負担ですから、相手が根負けすることもあれば、相手が離婚条件に関して大幅に譲歩することもあります。
他方で、不倫した夫・妻の方があなたより収入が低い場合でも、不貞行為など相手の有責な行為によって別居に至った場合には、相手の生活費相当分の支払義務が否定される可能性が高いので、不倫して家を出て行った夫や妻から婚姻費用を請求されたら、弁護士にご相談ください。
浮気や不倫をした夫・妻から離婚を切り出されたら、弁護士にご相談ください
夫や妻の裏切り行為を知った上に離婚を切り出されるというのは、本当に辛い状況であり、ご自身で今後のことを考えて行動に移すというのはとても難しいことかもしれません。
しかし、ひとまず証拠を押さえたら、離婚についての主導権を維持しましょう。そうそう相手の望み通りにはさせません。
そして、今後の生活のために、「何がよりよい選択か」をじっくり考えましょう。
まだ証拠を確保できずにお困りの方、相手から不当な要求を受けている方、裁判になった場合の見通しを知りたい方、辛い胸の内を誰にも話せず苦しんでいる方は、ぜひ一度無料法律相談をご利用ください。
お問合せを心よりお待ちしております。
この記事を担当した弁護士
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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。