モラハラ(モラル・ハラスメント)でお悩みの方へ

このようなお悩みありませんか?

  • 「誰のおかげで生活していると思っているんだ」と言われている
  • なんでも人のせいにする
  • ため息や舌打ちをする
  • 無視をされる
  • 気に入らないと不機嫌になって冷蔵庫の扉を勢いよく閉める
  • 「そんなこともわからないのか」と言われる
  • 生活費を入れてもらえない

あなたは今、上記のような夫(または妻)の言動に悩まされて、このページをご覧いただいているのではないでしょうか。

外では愛想がよく、近所の評判は悪くない。会社でもうまくやって、共通の知人からはいい旦那さんだね、なんて言われている。

でも、家庭内では態度が豹変し,自分の思い通りでなければ不機嫌になり、無視し、ドアをバタンとしてめたり、様々な嫌がらせをする。付き合い始めた頃はあんなに優しかったのに、まるで別人です。

何かにつけて文句ばかり言いますし、不満なことがあれば、いつも誰かのせいにしています。

あなたがいくら頑張っても,「ありがとう」などの労いの言葉はなく、少しでも気遣って欲しくて何かを言うと、「皆やっている」「お前が弱いんだ」「努力が足りないんだ」「家事育児はお前の仕事だ」などと言って、労うどころか責め立てる。

話し合いをしようにも、何か意見を言えば逆上されて、話し合いにならない。自分が間違っていても絶対に譲らないのです。

性格が合わないのか、子供のために我慢をするべきか、これ以上続くのにも耐えられそうにない。。。

あなたは大変な状況に置かれながらも、どうしてよいのかわからず、悩み続けていると思います。

このページでは、そんなあなたにとって、少しでも状況を打開できるように、弁護士の立場からアドバイスをさせていただきます。

目次

モラハラとされる言動

モラハラ(モラル・ハラスメント)とは、人格を否定するような暴言や侮辱的言動、脅迫的言動のことで、言葉や態度等によって行われる精神的な暴力や嫌がらせのことです。

加害者は、暴言、無視、人格の否定、無理な要求、責任の転嫁、性的虐待や経済的虐待等、肉体的な暴力を伴わずに相手を追い詰め、支配しようとします。

このように、身体的・肉体的な暴力をともなわずに、相手を苦しめることを総括してモラハラと呼ばれています。モラハラは、場合によっては、直接的な暴力よりもより深く、そして長期的に相手を苦しめるものです。

いずれも肉体的な暴力を伴うものではなく、「夫婦ではよくあること」などと暴力と比べて軽く扱われてしまうこともありますし、時には「あなたががしっかりしていないからそんなことを言われるのでは」などと受け止められてしまうこともあります。

実際に体にあざが出来たりして顕在化しやすい(証拠の残りやすい)DVと違い、モラハラは潜在的で証拠に残りづらく、また、周囲の人に理解してもらうことが非常に難しいものです。

モラハラの加害者は、外面の良い人が多く、社会的評価が高かったり、頭がよくて弁が立つ人物に多いと言えます。

自分がモラハラをしているという意識がないだけでなく、一歩家から外に出ると自分はよい夫・妻であることを実に巧くアピールしします。そして、被害者と外部との交流を絶とうと行動し、被害者を徐々に日常生活の中で孤立させるように仕向けます。 

そのため、被害者にとっては弁護士に相談をすること自体が恐ろしく心配で、自分が悪いのではないかという疑問を抱えながら、今日まで、一人で悩まれている方も多いことと思います。

しかし、このページをご覧いただいているということは、これ以上の我慢に限界を感じ、解決策を求めていらっしゃるのだと思います。

これからモラハラ夫・妻の特徴と対処法、離婚を決断された方へ向けてのモラハラを理由とした離婚の手順・ポイントについて解説致します。

モラハラの特徴

代表的なモラハラ夫の特徴を挙げます。モラハラをする妻に悩んでいる方は夫と妻を置き換えてください。
あなたに該当する項目がある場合、モラハラの被害に遭っている可能性が高いと言えます。

・不合理な理由で不機嫌になる
モラハラ夫は、言葉以外のメッセージを汲み取らせようとします。
何か気に入らないことがあると、例えばドアをバタンと締めるなど、不機嫌な態度を取ります。
その理由も、最初はどうしてそのような不機嫌な態度を取っているかわかりません。
しかし、徐々に夫の不機嫌の理由がわかってきます。

妻から頼まれたことについて、口では「わかった、いいよ」と答えているのに、実は面倒に感じていて、不機嫌な態度を取るのです。
次第に常に夫が不機嫌にならないように生活をすることになります。

・一方的に怒りを示す
モラハラ夫は少しでも気に入らないことがあると、一方的に怒り出します。
例えば,妻が少しでも楽しく鼻歌でも歌うものなら、モラハラ夫は気に入らないのでイライラします。妻からその日の夕食の希望を聞くと、そんなことを聞くなと怒り出します。反対に、妻から夕食の希望を聞かなければ、なぜ聞いてくれなかったんだと怒り出すのです。
妻から夫に矛盾した言動を指摘しようものなら激昂し、手に負えない状態になります。
大声で怒鳴るだけでなく、大きな音を出して威嚇することもあります。

・無視をする
モラハラ夫は、不合理な理由で機嫌が悪くなったり、怒り出します。そして、そういうタイミングを伺って繰り返します。
妻は、夫を怒らせないように生活をするようになっていきますが、そうなると今度は無視が始まります。
モラハラ夫は、少しでも気に食わないことがあると無視をします。モラハラ被害者はそんなモラハラ夫の無視の理由を考えて、無視されないように行動するようになります。
モラハラ夫はまさにこの状況で愛情を感じて満足をしているのです。
このような無視により妻をコントロールしようとしています。
無視は数日続いたり、数ヶ月、さらには何年も続くこともあります。

・特権意識と人格否定
モラハラ夫は、特権意識が強く、そのために他人の人格否定を行う傾向にあります。

間違いや失敗があれば、全て他人のせいにします。夫婦間であれば、「お前が悪い」と、いつも相手のせいにして、間違いを責め立てます。

モラハラ夫に対して反論をしようものなら、人格否定の暴言が始まります。

また、暴言の対象は妻だけでなく、妻の家族・友人に対しても、人格否定や馬鹿にするようなことを言うようになります。

・外部との関わりを断とうとする
モラハラ夫は、特権意識が強いので、嫉妬、依存、さらには束縛が激しいことも特徴です。
とにかく自分を優先させたいので、妻の行き先を詳しく聞いたり、頻繁に連絡を求めて常に妻の行動を把握しようとします。メール、LINE、その他のSNSなどをチェックしようとします。
エスカレートすると、仕事をやめさせたり、家族や友人との交遊を制限するようになります。

・責任転嫁と被害者意識
モラハラ夫は、絶対に謝りません。失敗や批判があると、他人に責任転嫁をします。
一つのことを指摘されると、自身の全てが否定されたと捉えてしまうので、自分が被害者だと考えて、批判されることを避けます。
そしで、全てを他人のせいにします。モラハラ夫自信が怒鳴ることでさえも、妻や他人に責任転嫁をするのです。

・子供を利用する
モラハラ夫は、子供を利用して嫌がらせをしてきます。
まず、子供の前で「お母さんはバカだ」「お母さんのようになるなよ」「母親失格だ」などと人格を否定する発言を平気でします。しかも、夕食のメニューを事前に聞くかどうかというただの嫌がらせが発端だったり、些細な出来事の責任転嫁から始まります。

また、子供の失敗やいたずらなどは、全て妻のせいにします。一方で、妻が子供にしつけとして叱ろうものなら、その叱り方を批判し、妻の叱り方のせいで子供が正しく育たない、というような異常な責任転嫁まで行います。

・性的なモラハラ
モラハラ夫は、夫婦間の性的なコミュニケーションも支配しなければ満足できません。
妻が性行為を拒むと、モラハラ夫はその理由も気にかけることなく、不機嫌な態度をとります。
妻がきちんとした理由を説明しても、全て否定して「お前が悪い」と責任転嫁をして非難します。さらには無視をするようにもなります。
妻はモラハラ夫の要求を拒むことはできず、モラハラ夫に従わざるを得なくなります。

・経済的なモラハラ
そして、モラハラ夫は、経済面でも妻を支配しようとします。
生活費の相談は受け付けません。妻から生活費の相談をしようものなら、不機嫌になり、話し合いをしようとすれば、「お前が悪い」「俺が稼いだ金を無駄遣いするな」などと責任転嫁をし、非難してきます。
最初のうちはそれでも生活費を負担していますが、妻が生活費について話題にしなくなると、今度は生活費を渡さないようになってきます。
妻はモラハラ夫に非難されるのを避けるために、生活費を求めることができず、貯蓄や両親から工面をしたり、消費者金融で借りてしまうこともあります。
当然のことですが、妻がこのように生活費を工面したことがモラハラ夫に発覚すると、モラハラ夫は妻が悪いと責任転嫁し、非難をするのです。

モラハラの対処法

モラハラ被害について、モラハラ夫のなすがままにしていては、モラハラ行為はエスカレートする一方です。
ここでは、モラハラ夫への対処法を解説します。

⑴ 証拠をとっておく
 何よりもまず、相手のモラハラについては、しっかりと証拠をとっておく必要があります。
モラハラ夫の場合、モラハラをやめてもらう場合でも、離婚を求める場合でも、自身の言動をモラハラと認めることはありません。そのため、モラハラ夫が否定をしても認めざるを得ないような証拠を残しておくことが重要です。
 モラハラを立証する証拠としては、次のものが考えられます。

・日々モラハラ夫・妻に言われた言葉やされたことを詳細に日記に残したもの

・夫・妻の言動の録音・動画

・相手方から送られてきた侮辱的なメールやSNSなどのメッセージ

・心療内科・精神科の受診

家庭内で日常的に起きることは客観的な証拠が残ることはまずありません。

意識的に日々証拠を残しておく必要があります。

⑵ 要求は冷静に話し合う
モラハラ夫からは、様々な要求がされると思います。おかしいなと思うことについては、冷静に話し合いを求めましょう。もし、相手が冷静に話し合いができないようであれば、録音をするなど、冷静な話し合いができない状況を証拠化しておくと良いと思います。

⑶ 無理に謝ることはしない
間違っていないことについて、無理に謝らないようにしましょう。不必要に謝ってしまうことで、モラハラ夫にとっては、自分の要求が通ることで安心し、さらにモラハラ行為が続いていくことになります。

⑷ モラハラを指摘して改善を求める
次に、モラハラ夫に対しては、きちんとモラハラを指摘し、改善を求めてみましょう。モラハラ夫のほぼ全員は無自覚にモラハラを行なっています。
モラハラ行為であなたがどのように辛い思いをされているかをしっかりと伝えて、今後はモラハラをしないで欲しいと伝えます。
口頭では上手く伝わらないこともあると思います。手紙、メールやSNSなど、文章にして伝えることも良いと思います。
もしかしいたら、モラハラ夫は無視を続けるかもしれません。そんなときは、きちんと考えは話してもらわないと分からないとはっきり伝えることが重要です。

⑸ 別居することを検討
モラハラ夫と冷静に話し合ったり、指摘して改善をしたり、様々な努力をしても、一向にモラハラが止まない場合には、あなたの精神的な負担軽減や将来の離婚に向けて、別居をすることを検討されると良いと思います。
別居をすることで、日々のモラハラから解放されるとともに、モラハラ夫と距離を置いて話し合いをすることができるようになります。
また、別居をすることで、それだけ深刻な事態だったのだとモラハラ夫に認識させることもできます。
さらに、モラハラの証拠は断片的にしか残せないことが多く、モラハラ夫が離婚を拒否する場合に、モラハラの事実をどこまで証明できるかが高いハードルになることもあります。
しかし、別居期間が2、3年経過することで、離婚が認められやすくなるという効果もあります。

⑹ 最終的には離婚
今までご説明をしたような対処法をとってきたとしても、残念ながらモラハラ夫が改悛して生まれ変わることは多くはありません。それは、モラハラの原因が根深いものがあり、モラハラ夫自身が変わることが難しい点にあります。対処療法的に一時的にモラハラ行為をやめても、根本が変わらない限り、次第にモラハラ行為が再開してしまいます。

モラハラ傾向の原因としては、幼少期の家庭環境、恒常的な仕事上のストレス、性格、自信過剰、自己愛性パーソナル障害、アダルトチルドレン、自己肯定感の欠如等、様々な要因が考えられます。

そして、根本的なモラハラ夫の問題として、自己の非・間違いを認めようとしません。

そのため、モラハラ夫が変わることは稀と言ってもよく、モラハラが止まないなら、最終的には離婚を選択することを検討せざるを得ません。

しかし、これまでの対処が無駄になるわけではありません。今までご説明した対処法をとってきたからこそ、いよいよ改善の余地がないモラハラであるということが浮き彫りになるからです。

モラハラは離婚原因になるのか

モラハラ夫と離婚する場合、いざ離婚を切り出すと、モラハラ夫は、離婚の話し合いにおいても必ず自分にとって有利に進めるように拘ることが大半です。仮に法律上の離婚原因があっても、裁判で判決が出るまでは、モラハラ夫との間で合意ができなければ離婚は成立しません。反対に、法律上の離婚原因が認められれば、モラハラ夫が離婚を拒否していても、最終的には裁判で離婚が認められることになります。そして、最終的には判決で離婚が認められる見通しがあれば、モラハラ夫が裁判になる前にあきらめることも期待できます。

モラハラが離婚原因になるには、その言動が、人格を否定するような暴言や侮辱的言動、強迫的言動と言えるものでなければなりません。この点が、性格の不一致・価値観の違いとは異なるのです。そして、裏付けとなる証拠があることも重要です。裏付けがなければ、モラハラ夫が否定した場合に、あなたの主張通りに認めてもらうことは難しくなります。

もっとも、モラハラの証拠がなければ離婚原因が一切認められないわけでもありません。モラハラとしての証拠が仮に少ないとしても、少なくとも性格が合わなかったり、価値観の相違によって不仲であるといえる場合が多いのではないでしょうか。その場合、さらにある程度の別居期間を持つことで離婚原因が補強され、離婚原因が認められる場合は少なくないでしょう。

モラハラで離婚する手順

⑴ 離婚を切り出す前の準備
モラハラで離婚を切り出す前に、まずはできる限りのモラハラの証拠を集めておきます。また、別居後、離婚後の収入の確保を検討します。

そのうえで、十分な証拠があるか、これ以上証拠を集めるのは無理だ、という段階で、別居を検討しましょう。

また、別居後とはいえ、モラハラ夫と冷静な話し合いが期待できない場合には、弁護士への依頼も検討された方が良いと思います。

⑵ 離婚の切り出し方
これまで準備をしたあなたとしては、「モラハラ」という言葉を使用する必要はありませんが、モラハラ夫の様々な言動と、その言動が改善されないことをきっぱりと伝えましょう。そのうえで離婚をしたい旨伝えます。

⑶ 家庭裁判所における調停・訴訟
もし、モラハラ夫が話し合いに応じない、あるいは離婚に応じない場合には、家庭裁判所における調停手続を経て、最終的には訴訟で離婚を実現することになります。

モラハラで離婚をお考えの方は私たちにご相談ください

これまで解説をしましたとおり、モラハラを理由とする離婚においては、事前の準備が非常に重要です。
また、モラハラ夫には弁が立つ人も多く、お二人での話し合いに不安を抱えていらっしゃる方も多いでしょう。

当事務所では年間150件超の離婚のご相談を受けており、離婚問題に特化・精通しております。
モラハラでお悩みの方が離婚を決断した際に、今後の人生の再出発を笑顔でスタートできるように全力でサポートをいたします。

モラハラで離婚をお考えの方は、まずは当事務所にご相談ください。

この記事を担当した弁護士


 

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

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